産学協働人材育成コンソーシアム(CIAC)

インターンシップ専門人材研修会

インターンシップ専門人材研修会

教育的効果の高いインターンシップを実施するには、プログラムの構築・運営、大学・企業間の調整を担うインターンシップ専門人材は不可欠です。


 CIACは、独立行政法人日本学生支援機構(Jasso)と協力し、「インターンシップ専門人材研修会【実践編】【発展編】」を開催しています。

これまでに120名以上の大学教職員が受講し、それぞれの大学でのインターンシップの実施・運営、地域との連携等で活躍しています。

    

 2020年度はコロナ禍の影響でZoomによるオンライン開催となりましたが、対面での開催以上に参加者のグループワーク、ディスカッションも内容が濃い研修会となりました。

インターンシップ研修会の詳細については、以下の「2021年度募集要項」をご覧ください 

 ⇒「2021年度募集要項」

「インターンシップ専門人材」とは

インターンシップ専門人材とは「教育的効果の高いインターンシップの構築・運営ができ、大学等と企業との間で調整を行う専門的知見を持った人材」です。

 海外において、インターンシップが高等教育の基本的機能として組み込まれている国では、一般的に存在し、学生、企業、大学それぞれにメリットをもたらす重要な役割を担っています。日本の大学組織では該当する職務・職位等がないため、イメージの難しい人材像です。我が国のインターンシップが未だ質的、量的ともに課題がある大きな要因は、この専門人材が存在していないからと言われています。

 

経済産業省「インターンシップコーディネーターガイドブック」より

「CIAC認定インターンシップコーディネーター」

「インターンシップ専門人材研修会【発展編:STEP3】」修了者は、「CIAC認定インターンシップコーディネーター」として登録することが可能です。

 認定者それぞれの大学や地域活動等における教育的効果の高いインターンシップの普及推進の中心的な役割を担い、産学協働による人材育成・活用の継続的な発展・推進を図ることが期待されています。
現在、62名(2021年3月末時点)が登録しています。



CIAC研修会 5つの特長


文部科学省が提示する枠組みに基づいた体系的なプログラムにより、段階的にインターンシップに関する知識、スキル、思考等を習得することができます。

自大学で実施しているインターンシップについて客観的に振り返ることができ、教育的効果の高いプログラムへの改善、実施、推進、更には新たなプログラムの構築につながる実践的な内容です。

レベルに応じた、経験ある担当者同士でのグループワークが中心であるため、他大学からのコメント、フィードバック、事例が得られ、インターンシップに関する課題について深く議論し、新たな知見、視点、発想が得られます。

参加者同士のネットワークを構築する機会となり、「インターンシップ専門人材コミュニティ」の一員となり、その後も継続的にコミュニケーションを図り、様々な情報を共有できます。

高等教育、インターンシップ、人材育成に精通する講師による知見も踏まえてのファシリテートで、新たな情報や出会いを楽しみながら参加者相互で学び合い、仕事に対する向き合い方を考える機会になります。


  


研修会の内容【実践編:STEP2】

 【到達目標】

  • 教育的効果の高いインターンシップの実施・運営のポイントを理解し、自大学のプログラムを客観的に評価・点検することで改善・改良することができる
  • 高等教育の現状や政策的動向を把握し、その中で自大学の理念、特色、位置づけを認識することで、組織上、プログラム上の課題を抽出し、地域や社会のニーズを踏まえた改善案を提案、実行することができる
  • インターンシップを担当する意義や大学全体における役割を理解しており、学内外の先進的事例を応用しながら率先して取り組み、高い成果を生み出すことができる
  • 教職協働の視点で、学内の他部署とネットワークを形成し、どの部署と協働すると効果的に業務が遂行できるか把握しており、必要に応じて他部署と連携、調整を図りながら意欲的に業務を遂行することができる
  • 受入企業等と良好な関係を継続するとともに、企業、大学双方の目的をすり合わせ、新たな受入企業を開拓することができる


【主な内容】

高等教育の現状と今後、政策的動向の理解(理念、DPとのつながり、その意義と課題)
大学教育におけるインターンシップの意義、自大学における実施目的・教育的効果の明確化
企業との協働関係構築とプログラムの設計方法、「教育的効果」と「企業メリット」を両立させるためのプログラム設計
学修プログラムの設計、  教育的効果を最大化する事前・事後学習
短時間でのキャリアカウンセリング(個別面談)、カウンセリング実習
インターンシップの法的留意点、運営上のリスク管理(学生・大学・企業)
プログラムの評価・振り返り、評価の観点と手法




研修会の内容【発展編:STEP3】

【到達目標】
  • 教育的効果の高いインターンシップの実施・運営のポイントを理解し、大学(教育)改革につながる新たなプログラムを企画立案・提案し、実施することができる
  • 高等教育の現状や政策的動向を批判的に分析・検討し、その中で自大学の理念、特色、位置づけ、課題を抽出することで、組織を改編し、地域や社会のニーズを踏まえた新たなプログラムを作り出し、実行することができる
  • 大学全体の課題を抽出し、改善のためのデータ、情報を収集・分析し、教育目的に応じたインターンシップ推進の具体案を策定・実行する上で、指導的役割を果たし高い成果を出すことができる
  • 執行部、関係部署の責任者が納得する説明ができ、他部署と合意形成を図り自他のモチベーションを高めながら全学的な視点でリーダーとして業務を遂行することができる
  • 受入企業等と良好な関係を継続し、新たな受入企業を開拓するとともに、受入企業の課題を把握し、課題解決の方法を考え、協働して実行することができる

 
【主な内容】
 

高等教育の最新動向の分析と将来構想、大学教育改革としてのインターンシップの捉え方        
イノベーションを推進するための思考フレーム、「デザイン思考」で大学教育改革とインターンシップを考える
長期・有給型インターンシップの法的留意点、運営上のリスク管理、長期・有給型の雇用保険、社会保険等、契約書作成の主なポイント
大学教育とインターンシップに関わるイノベーション、自大学の現状に関する情報収集と整理・分析
イノベーションの実行戦略立案、自大学の課題解決のための具体的アイデア立案
インターンシップ専門人材としての価値観と倫理

 

研修会の講師

松高 政 (CIAC代表理事/京都産業大学経営学部准教授) 

教育サービス系企業において、大学におけるキャリア教育に関する調査研究、企画開発に携わり2007年4月より京都産業大学に在職。産学協働教育科目を中心的に担当し、他大学へも広ろくプログラムの普及・推進を図っている。文科省「インターンシップの推進等に関する調査研究協力者会議」委員、経産省「教育的効果の高いインターンシップの普及に関する調査委員会」委員等を歴任。現在の研究テーマは、若年層のキャリア形成・職業能力開発、産学協働教育。



川島 啓二 (CIAC理事/京都産業大学共通教育推進機構教授/学長特命補佐)

京都大学大学院教育学研究科学修認定退学。文部科学省国立教育政策研究所高等教育研究部長、九州大学基幹教育院教授・次世代型大学教育開発センタ—長を経て、2017年9月から、京都産業大学共通教育推進機構教授/学長特命補佐。専門は高等教育論。FDや大学組織、学生支援について研究。大学教育再生加速プログラム委員会(AP)委員、日本学生支援機構「学生支援の取組状況に関する調査協力者会議」主査。


原 正紀 (CIAC理事・事務局長/株式会社クオリティ・オブ・ライフ代表取締役社長)

早稲田大学法学部卒業後、大手メーカーを経てリクルートへ入社し、企業や官公庁、大学などへの提案活動を行った後に起業。人財に関する多様な提案を行い、多数の企業の成長・変革をサポートすると同時に、官公庁や教育機関のプロジェクト受託も行う。企業の採用、人材育成に精通し、著書は『定年後の働き方は40代で決めなさい』『採用氷河期』『間違いだらけの会社選び』など10冊以上、年間講演は50回以上、「キャリア教育アワード」など国や自治体の委員経験は多数あり。高知大学客員教授、成城大学非常勤講師。

 

「インターンシップ専門人材」の政策的推進

 文部科学省より「大学改革としてのインターンシップの推進に係る専門人材の育成・配置 ―組織的なインターンシップの推進に向けた、専門人材の役割の明確化―」(2018年5月31日付)が発信され、専門人材の育成・評価についての周知が図られました。この文書において、専門人材の育成枠組み(STEP 1~ STEP 3)が提示されています。

>>文科省発信文書の詳細はこちら

 

 この枠組みに沿って、【STEP 1】(「説明できる」レベル)を基礎編としてJASSOが「インターンシップ専門人材セミナー」を開催しています。

>>「インターンシップ専門人材セミナー」の詳細はこちら

 【STEP 2】(「行動できる」レベル)、【STEP 3】(「変革できる」レベル)については、CIACが「インターンシップ専門人材研修会」によって担います。

 

 【基礎編:STEP 1】【実践編:STEP 2】【発展編:STEP 3】と体系的なプログラムを段階的に受講することにより、インターンシップに関する知識、スキル、思考等を習得できる研修会になっています。


文部科学省「大学等におけるインターンシップの推進に係る専門人材に必要と考えられる要素等」

インターンシップの現状と課題

 文科省調査調査(2017年)によると「インターンシップの事前・事後教育」を実施している大学は95%。しかし、学生の半数以上は、「事前・事後教育いずれも受けていない」と回答しています。

 「実施目的を一部もしくは全ての企業とすり合わせている」と回答した大学は60%。企業側は75%が「行っていない」と回答しています。

 このような状況にも関わらず、「インターンシップの教育的効果(質的)」に90%の大学が満足と回答しています。いったい何に満足しているのでしょうか?

 実施者である大学側の認識が甘いのです。この程度で「できた」と勘違いしている。このような現状認識である限り、より良くしようという問題意識は生まれず、従って、改善は進みません。日本のインターンシップが質的・量的にも課題が多いと言われる所以です。

文部科学省「インターンシップ推進のための課題及び具体的効果・有用性に関する調査研究」(2017年)

「インターンシップ専門人材研修会」開催にあたって

専門人材育成の考え方と体系的な育成システムの構築について


独立行政法人日本学生支援機構 学生生活部長 井上示恩

 産業や経済の構造的変化や雇用形態の多様化・流動化が進み、学校から職業の移行が困難となる中、学生一人一人が「生きる力」を身につけ、様々な困難に柔軟かつたくましく対応する力を高めることが課題となっています。この課題に大学等が教育として対応するものがキャリア教育であり、大学等における教育・学びと仕事における実践を架橋するものとして、その必要性がますます大きくなっています。
 また、インターンシップは、キャリア教育における効果的な教育手法の一つであり、産学協働教育の有力な手段です。教育的効果の高いインターンシップを推進するためには、当事者である大学等、学生、企業の三者が、当該インターンシップの教育的意義や内容についての共通認識を構築することがまず不可欠です。
 この共通認識を基礎としつつ、インターンシップを推進する専門的な人材が、すなわち専門人材であり、その育成・配置の必要性が一層増しています。
 専門人材の機能には、大きく分けて、教育的効果の高いプログラムの構築・運営と、大学等と企業との調整に基づく学生と企業のマッチングの2つがあります。平成30年5月31日付け文部科学省事務連絡「大学改革としてのインターンシップの推進に係る専門人材の育成・配置について」(以下「事務連絡」)において、これらの機能に基づく具体的行動例がレベル別に示されています。
 また、専門人材を効果的に育成・配置していくためには、関係機関が連携して育成プログラム内容の調整を実施し、体系的な育成システムを構築していくことが求められます。
 
具体的には、事務連絡が提示している専門人材に必要とされる行動例の各ステップ(STEP1からSTEP3)のうち、日本学生支援機構(JASSO)が実施するセミナーでは、主としてSTEP1までの基礎編を担当することとします。他方、STEP2(実践編)、STEP3(発展編)については、一般社団法人産学協働人材育成コンソーシアム(CIAC)の研修会が担当します。今後、CIACとJASSOが、役割分担を明確にしつつ緊密な連携を行い、専門人材の育成プログラムを体系的に提供してまいります。
 
参加者の皆様におかれましては、以上の趣旨を是非ご理解いただき、各大学等におけるインターンシップの推進、専門人材の育成・配置にご協力・ご尽力をいただきますようお願いいたします。



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CIACは、「産」と「学」の協働により、具体的な実践を通して、人材の育成と活用を実現します。

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